ヨシノボリ属不明種@新潟県産

ヨシノボリ属不明種 新潟県産

私が数々の遠征で様々なヨシノボリを見てきた中で、おそらく唯一。
イマイチ、正体がよくわからない個体群がいます。

要するに、よくわからない!日本のヨシノボリです。

新潟県のとあるポイントで採れる個体群なのですが、新潟県でよく見られるトウヨシノボリとも、福島県の内陸側で見られるトウヨシノボリとも、いずれとも異なる雰囲気の個体がこのポイントでは得られます。

どちらかといえば、シマヒレヨシノボリやビワヨシノボリに趣が似ている印象を受けますが、それらの分布域からは大きく離れています。

しかも、この個体の採れるポイントは、冬季は全国屈指の豪雪地帯として知られているエリアでもあります。

今回はこの個体群について簡単にまとめました。

ヨシノボリ属不明種のオスとメス

パッと見の印象は、シマヒレヨシノボリに近いと思います。
比較的色が濃く出るほうが♂、あまり色が乗らないほうが♀と思われます。

ヨシノボリ属不明種♂ 新潟県産
ヨシノボリ属不明種♀ 新潟県産

この個体群の特徴

ヨシノボリ属不明種♂ 新潟県産 老成個体

全体的な印象は、シマヒレ:ビワ:クロダを6:3:1くらいの比率で混ぜた感じ。
しかしいずれも新潟県は分布域外です。交雑個体群の可能性もありそうです。

老成個体は若干、鰭が長めな印象を受けます。
しかしビワヨシノボリではないと思います。

顎の下が黄色く染まります。
腹鰭の吸盤。
若い個体の頭部。頬に赤い斑点が見られます。この時点で移入ビワではなさそう。
背鰭
尾鰭

第一背鰭は雌雄ともに伸長せず、第二背鰭に縞模様
♂の尾部は、下端部が赤く染まるような感じがします。この特徴だけ見るとシマヒレです。
ただ、シマヒレほど明瞭ではなさそうな感じもしています。

頭部の斑紋は個体差が大きく思えました。
オウミヨシノボリのように密には入らず、無地に近いものが多いようです。

ただいずれの個体も下顎が突出する傾向にあるようです。

新潟県や東北地方の内陸部で見られるトウヨシノボリは、どちらかといえば上顎が突出する傾向があるように思えます。

部位特徴
頭部の形状短め、下顎突出傾向
斑点が入るものもいる
♂は黄色く染まる
第一背鰭雌雄ともに伸長しない
第二背鰭縞模様が入る
各鰭伸長傾向?
5年前、最初に発見して違和感を覚えた個体。
採集した時点で白点虫らしき寄生虫が付着していました。
治療を試みましたが、長生きはしませんでした。
第二背鰭の伸長が強めに思いました。
縞模様は入るようです。
下端部はやや赤が強いように思えます。
5年前のその日、同時に採れた別個体。第一印象はビワ×シマヒレの交雑個体風。しかし、分布域外かつ、移入報告のない新潟県産。

水槽内写真

水槽内での飼育では、あまりスタンダードなシマヒレのような発色を示さないように見えます。
シマヒレもいくつかの産地のものを飼育しているのですが、それらに比べると赤い発色が鮮やかにはなりません。

ややくすんだ、褐色寄りの色を示す印象です。
ビワに近いがビワではない。一言でいえば茶色いシマヒレ。そんなイメージがあります。

生息地写真

個体数はかなり多め。
ぱっと視界に入るだけでも、数百匹はいると思えるレベルで数多くの個体が見られました。

なお野外では数多くの個体を観察・捕獲しましたが、西日本で見られるシマヒレのように赤が強い個体は1匹も見られませんでした。

よくわからない新潟のヨシノボリ

というわけで謎の新潟産ヨシノボリについて、ここまでまとめてみました。
詳細を調べるには、おそらく遺伝子を調べるほかないのかな、とは思います。

どちらかといえば、私はこの個体群は新種よりも移入個体群の可能性を推定しており、しかもそれが交雑個体である 可能性が高いのではないか?と考えています。

滋賀県では、ビワ×シマヒレ×オウミの3種交雑の集団が発見されているそうです。
なので、もしかするとこの個体群も、ビワ×シマヒレ×新潟~東北在来のトウヨシ のような組み合わせで交雑している可能性もあるのかもしれません。

いずれにせよ、不思議なヨシノボリだと思います。

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