ヨシノボリの捕まえ方(ガサガサ)

「ガサガサ」とは。
川の中に入って網で川岸の草むらなどを”ガサガサ”と探って魚を捕まえる行為を指して言います。

ヨシノボリを捕まえる方法としては、この「ガサガサ」と呼ばれる、網で捕まえるスタイルが一般的です。要するに川遊びの一種です。

ヨシノボリを捕まえてみよう

ここでは基本的な捕まえ方と、採集において知っておくべき知識を紹介します。

なお、魚の採集は自然を相手にする遊びです。
自然の中では不測のトラブルが起こることもあり得ますので、安全第一で楽しみましょう。
大雨による増水時や、天候不良時などコンディションに問題がある場合はやめておきましょう。
慣れないうちは2人以上で行くことをおすすめします。

必要な道具

たも網

まずは、これが無いと始まりません。

網なら何でも構いません。
ホームセンターで販売されているものでも十分ですが、もしおすすめを挙げるとするならば「三谷釣漁具店」の網がおすすめです。

バッカン

釣り用のバケツです。釣具店で購入可能です。
折りたたみできるので場所をとらず便利です。
水温が高まってしまう夏には、そのまま川の中に漬けておくこともできる点でも便利です。


あると便利な道具

ウェーダー

服が濡れないほど浅い水辺では必須ではありません。
しかし、これがあると少しぐらい深い川でも行動範囲が広がります。

エアーポンプ

捕まえた魚をバケツにたくさん入れていると、酸欠で弱ってしまいます。この対策として有効です。

持ち帰る場合にも必須です。

観察ケース

捕まえた魚の写真を撮る場合、このケースがあるときれいに写真を撮ることができます。
種類の判断のためにも、あると便利です。


捕まえ方

ヨシノボリは川魚としては比較的捕まえやすい部類に入ります。
しかし、だからといってやみくもに振り回していれば捕まえられる という訳でもありません。

様々な場所で使える、代表的な2つのテクニックを紹介します。

この2つだけ覚えておけば、その川にヨシノボリが棲んでいるならきっと採れるはずです。

1.ボサ蹴り

川岸の草を蹴り込んで、網の中に追い込みましょう。

川岸に生える草(ボサと呼ばれます。)に直角に網を当て、上流から蹴り込んで網の中に魚を追い込みます。

止水域~緩い流れの川に暮らすヨシノボリに特に有効な方法です。

2.転石転がし

川底にぽつんとある石の下には、ヨシノボリが隠れているかもしれません。

川底の石の下流に網を構え、手で石をひっくり返します。
石の下に魚が潜んでいれば、魚が網の中に入ってきます。

流れが速い川に暮らすヨシノボリに有効です。

ひっくり返した石は、その後元に戻しておきましょう。

3.釣り

水深がありガサガサには向かない場所では、釣りが有効です。
ワカサギ用の仕掛けに赤虫を餌として付け、水底に張り付くようなイメージで投げると良いでしょう。

4.見事に捕獲!

網を使った採集方法としては、この2つが基本技です。
とりあえずこの2つを覚えると、何かしら採れるとは思います。


環境とヨシノボリの生息傾向

たくさんの種類がいるヨシノボリですが、種類によって好む環境は異なります。
狙いたいヨシノボリが決まっている場合は、種類ごとに好む環境に狙いを定めると良いでしょう。

河川

流れが速い河川を好むヨシノボリは主に以下の種です。

カワヨシノボリ、トウヨシノボリ、ルリヨシノボリ、シマヨシノボリ、オオヨシノボリクロヨシノボリ

溜め池・湖沼

流れがほとんどない、溜め池や湖沼を好むヨシノボリは主に以下の種です。

トウヨシノボリ、クロダハゼ、シマヒレヨシノボリ

トウヨシノボリは非常に変異が多いようで、分布域により流れのある河川、溜め池や湖沼どちらでも見つかります。

流れが速い河川に生息するトウヨシノボリは上顎が突出することが多いのに対し、溜め池や湖沼に生息するものは、下顎が突出することが多いです。

これは生息環境による表現型の可塑で生じた形質なのか、はたまた別種なのかはよくわかりません。
遺伝子を調べると何か分かるのかもしれません。


もし採集できなかったら

ヨシノボリは比較的どこにでもいる珍しくない魚とはいえ、自然が相手なのでいつでも必ず採れるとは限りません。

また、思わぬゲストとなる、別の魚が採れる場合もあります。

採れなかったときは、どのような場所に暮らしているのかその習性から予想しましょう。
地図とにらめっこしてだんだんと絞り込み生息地を推理して当てていく、というのもガサガサの醍醐味です。


写真の撮り方

SNS投稿時に守るべきマナー

捕まえた魚は、ついついSNSに投稿したくなります。
投稿自体は問題ありませんが、次の注意事項は絶対に守りましょう。

  1. 背景に建物や特徴的な地形を映り込まさないこと
  2. 採集した詳細な地名を書かないこと
  3. 採集場所を他人に教えないこと

淡水魚は分布域が狭く、過剰な捕獲が絶滅に追い込んでしまうケースも種類によってはあり得ます。

特に珍しい種類であるほどリスクは高いです。
SNSの投稿をきっかけに生息地がピンポイントにバレてしまい、その結果(主に商業目的の)乱獲により絶滅に追い込んでしまう事態は絶対に避けなければなりません。

採集場所について述べるときは、都道府県単位までであれば概ね問題ないでしょう。
特別に理由がない限り市町村レベルや水系レベル、具体的な地名についてはなるべく記載・言及はしないほうが無難です。

特に珍しくない普通種であっても、区別する必要が無ければ都道府県単位までにとどめておくことをおすすめします。

ルールを守って投稿すれば、楽しい旅の思い出の記録をフォロワーさんに共有できます。
せっかくの思い出を悪用されないよう、投稿の際は留意しましょう。

背景を映り込まさないように撮る方法

投稿マナーを踏まえると、観察ケースの背景は単色とするのが最も理想的です。

観察ケースの背景に白のバッカンや給水タンクを置くことで、背景を映り込まさずに単色にして撮影することができます。
背景に橋などの構造物や、建物が映ってしまう場合はこのようにして撮影すると良いでしょう。

背景が単色になるので、あとで写真を加工する際にも便利かもしれません。

漁業権について

河川によっては、漁業権が設定されている場合もあります。

主にアユやマス類など、食用魚の水産資源の保護を目的として設定されているものであり、ヨシノボリは一般に食用にはならない魚であるためピンポイントで対象とされることはほぼありません。
しかし、「全魚種」という括りで対象になっている場合があります。

このような場合には、採集の際に遊漁料の支払いが必要な場合もあります。
実際に行く採集場所によっては、事前に確認しておくと良いでしょう。


ヨシノボリを捕まえた後は

特に飼ってみたいなどの意図が無ければ、観察後は捕まえた川に逃がすと良いでしょう。
いわゆるキャッチアンドリリース です。

飼ってみたい場合は、正しい手段で持ち帰り必要があります。
また、飼育目的の場合、理想を言えば捕獲する前にあらかじめ準備ができていると理想的です。

持ち方、飼い方はそれぞれ別のページで紹介します。

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