ヨシノボリ図鑑
2022.02.27
日本産ヨシノボリ全種の特徴をわかりやすく網羅した図鑑です。
それぞれの種類と、簡単な見分け方をまとめてあるので参考にご活用ください。
画像をクリックすると、より詳しい説明を確認できます。
広域分布のヨシノボリ
本州をはじめとした広域に分布し、比較的身近に見られるヨシノボリです。
カワヨシノボリ
西日本では普通種
胸鰭分枝軟条17本以下
シマヨシノボリ
沿岸域では普通種
頬に赤いミミズ状斑
オオヨシノボリ
河川上流域に多い
胸鰭の付け根に黒点
ルリヨシノボリ
河川上流域に多い
頬に瑠璃色の小斑点
クロヨシノボリ
黒潮影響地域に多い
胸鰭に三日月状斑
トウヨシノボリ
全国各地に広く生息
多くの♂は橙色斑を持つ
クロダハゼ
関東平野に生息
背鰭や顔つきが丸い
シマヒレヨシノボリ
西日本に広く生息
尾の下端部が赤くなる
身近な河川や溜め池などで採集できるヨシノボリは、ほとんどの場合これら8種のいずれかであることが多いです。
種類の分からないヨシノボリが採れた場合、まずこれらから絞り込んでいくと良いでしょう。
局所分布のヨシノボリ
一部のヨシノボリは特定の地域にのみ局所的に分布するものもいます。
ある意味では「地域限定」と考えることもできるかもしれません。
カズサヨシノボリ
千葉県固有種
ビワヨシノボリ
滋賀県固有種
オウミヨシノボリ
琵琶湖水系固有種
トウカイヨシノボリ
東海地方固有種
島嶼分布のヨシノボリ
鹿児島県、沖縄県の南西諸島など、島嶼域にのみ分布するヨシノボリも数多く知られています。
一部、本州と共通の種も分布しています。
オガサワラヨシノボリ
小笠原諸島固有種
細流に分布
尾柄部の斑紋が太い
アヤヨシノボリ
奄美~沖縄本島に分布
頬に青い小斑点
尾鰭中央部に点列模様
ケンムンヒラヨシノボリ
屋久島~沖縄本島に分布
極太の赤いV字バンド
第1背鰭は第2背鰭まで届く
ヤイマヒラヨシノボリ
石垣島・西表島に分布
極太の赤いV字バンド
第1背鰭は第2背鰭に未達
シマヨシノボリ
南西諸島に広く分布
頬に赤いミミズ状斑
赤いV字バンドが二重に入る
クロヨシノボリ
南西諸島に広く分布
胸鰭に三日月状斑
南西諸島では普通種
アオバラヨシノボリ
沖縄本島固有種
無斑で透明感のある色彩
採集禁止種
キバラヨシノボリ
奄美~沖縄本島に分布
滝より上流に分布
採集禁止種
イリオモテパイヌキバラヨシノボリ
西表島固有種
滝より上流に分布
採集禁止種
イシガキパイヌキバラヨシノボリ
石垣島固有種
滝より上流に分布
採集禁止種
地域限定のヨシノボリに会いに行く前に
特に沖縄県をはじめとした南西諸島にはこのような種類が多く、ヨシノボリにおける多様性の奥深さを物語っています。
千葉県や滋賀県にも固有種が分布するのは興味深いところです。
これらの地域固有の種類に会うために旅を計画するのも、また醍醐味と言えるでしょう。
もし、採集した場所がこれらの固有種の生息域であった場合、候補に加えて判断してみましょう。
固有種の多くは、見つけるためにも相応の苦労が必要なことが多いです。
探しに行く場合は念入りに準備を行ったうえで探しに行きましょう。
種類によっては採集が禁止されているものや、保護区に生息するものもいます。
事前にしっかり現地情報を下調べしておきましょう。
日本産ヨシノボリ属検索表【本州編】
採集現場向けの検索表です。
採れたヨシノボリの同定にお役立てください。