ボウズハゼ

ボウズハゼ 神奈川県産
学名Sicyopterus japonicus
サイズふつう全長5~8cm程度
生活史両側回遊型

ヨシノボリを見分ける際には、「ヨシノボリ以外の似た仲間」にも気を付けなければなりません。

そもそもヨシノボリで無いのであれば、何ヨシノボリかな?という判断は適用できません。

というわけでそっくりさんシリーズ第2弾。
今回はボウズハゼ を紹介します。

ボウズハゼの特徴

ボウズハゼは「ボウズ」の名の通り、つるっとした頭が特徴的なハゼの仲間です。

関東以南の流速のある河川に生息し、石の表面に映える藻類を主食としています。
草食性が強いことから精進料理を食べているようにも見え、「ボウズ」とは非常にセンスの良いネーミングですね。

見分け方のコツ
  • 目の間のV字バンドがありません!
  • 頭がつるつるしています。
  • 腹鰭だけでなく口も吸盤になっており、吸着力は強めです。

ルリヨシノボリオオヨシノボリシマヨシノボリと好む河川が近いようで、しばしば同所的に生息します。


シマヨシノボリを採集に行った際に、オオヨシノボリと一緒に採集したことがあります。


ボウズハゼの見分け方

ヨシノボリとの共通点はハゼ科というところだけなので、見比べることができれば比較的簡単に判断できると思います。

頭に赤いV字のラインが入らないこと、つるつるした頭の形状強い吸着力を持つ口 の3点を確認すると良いでしょう。

ボウズハゼ
シマヨシノボリ

よく見ると顔つきや色形はヨシノボリとは結構な違いが見られます。全然違います。

吸盤状の口
非常に吸盤の吸着力が強く、水がない状態でも壁にぴったりくっつきます。

顔つきと吸盤の吸着力を体験したら、おそらく間違えることはないでしょう。

このような河川ではアユも生息していることが多く、アユと縄張りを巡り争うこともあるようです。
その結果、友釣りで本種が釣れることもあるのだとか。


コケ取り要員として有用です

ボウズハゼは石表面に映える藻類を主食としています。
この食性から、水槽内では優秀なコケ取り役としても活躍します。

撮影開始
半日経過
1日経過

前面ガラスのコケを舐めとっている様子が分かります。

1週間程度、ボウズハゼを入れた水槽と入れていない水槽でのコケ発生量の差です。
左側の水槽にはボウズハゼが1匹入っています。

ボウズハゼが入った水槽では、茶ゴケ(珪藻類)の発生が抑制されているように見えますね。

水槽内ではヨシノボリ以上に隠れてしまうことが多く、なかなか姿を見せてくれません。
しかし、見ていないところではコケをせっせと食べてくれているようです。

ボウズハゼ飼育上の注意点
2点だけ気を付けよう
  • コケ単独ではやせてしまう場合があります。
    その場合には、プレコ用のタブレットフードか、冷凍赤虫を与えると良いでしょう。
  • ボウズハゼはヨシノボリ以上にわずかな隙間から飛び出してしまいやすいです。
    水槽にフタは必須です。

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