2024年9月。
実は、毎週ともいえるレベルで採集遠征に行っていました。
それぞれの遠征はそこそこのボリュームになるのですが、その中でも釣りによる採集に重きを置いた9月の遠征を、ダイジェスト版でお送りします。
エリアとしては行った順に中部→九州→関東→四国→東北 と、まったく脈絡のないラインナップ。
我ながらなかなかなプランだったと思います。
今回はこのうち、新潟県、群馬県、山形県の遠征をお送りします。
各遠征地でのターゲットは次の通りです。
- 新潟県:ヨシノボリ属不明種
- 群馬県:カワヨシノボリ(無斑型・国内移入個体群)
- 山形県:トウヨシノボリ
釣行遠征1 新潟県南部 ヨシノボリ属不明種
9月の釣行遠征、第一弾は新潟県。
このポイントは数年前に見つけたのですが、私が知る限りどのヨシノボリにも該当しない、”よくわからないヨシノボリ”が採れるポイントです。
ざっくりとした特徴としては、
- ベースとしてはシマヒレヨシノボリ似(ただし新潟県はシマヒレ分布域外)
- ビワヨシノボリやクロダハゼのような雰囲気も持ち合わせる(ただしどちらも新潟県は分布域外)
- 冬季は豪雪地帯となり、アクセス困難(シマヒレ、ビワの生息環境と大きく異なる)
また、今回は釣りで狙ってみたいという意図もあったので、釣りで狙うことにしてみました。
いざ現地へ
9月も上旬。
まだまだ残暑極まれる時期です。とにかく暑い。
今回は釣獲してみた
このポイントは網で採れないこともありませんが、やや深く足場が少々不安定な場所もあります。
そんなわけで、今回は捕獲方法として釣りを選択肢に。
仕掛けは実にシンプルな浮き釣りです。
普通に「ハエ・ヤマベ釣り用」などとして広く市販されている、安価なセットのものを使用。
ただし針だけ、タナゴ用の極小針に変更しています。
エサは観賞魚用の冷凍赤虫を解凍したものを使用。
釣具店で市販されているようなふつうの活赤虫だと、このポイントのヨシノボリには少々大きすぎるかもしれません。
小型ゆえに、アワセが難しいwww
でもウキできちんとアタリをとることはできています。
数は多いようです。
コイ科の魚はガツン!と最初に強く当たりますが、ヨシノボリの場合はプルプルプルプル……と弱い振動のようなアタリとなるため、アタリ方で割とわかります。
コツをつかむとどんどん釣れます。たのしい。
散策して撤退
十分な数が集まったので、近辺を散策して撤退。
リザルト ヨシノボリ属不明種
ベースはシマヒレヨシノボリ。
これにビワヨシノボリとクロダハゼを足したような雰囲気もあるような印象を受けます。
しかし、どの種も新潟県は分布域外。よくわからない個体群です。
また雌雄がやや見分けづらい感じがします。
釣行遠征2 群馬県南部 カワヨシノボリ無斑型
9月の釣行遠征、第二弾は群馬県。
カワヨシノボリは本来、群馬県には分布していません。
しかしながら少し前に、分布しているという確証が得られる情報を得ており、ポイントの手がかりが得られたら群馬に行ってみようかな~程度に考えていました。
そして、色々調べ物をしていたら・・・このタイミングで有力な情報を入手。
前週に島から帰ってきたばかりですが、こうしちゃあいられない。
その週末、即座に現場に急行した感じです。
今回も釣りで狙ってみた
得られた情報では釣りで狙っていたので、今回も釣りメインでやってみました。
前回、新潟で使ったものと同じ仕掛けで、今回はエサに活赤虫を使います。
比較的大きめの個体が狙えるものと思われたためです。
早速釣れたのは、本来であれば群馬県にはいないはずのカワヨシノボリ。
外観からは、西日本に広く分布する無斑型と思われます。
結構釣れる・・・!
入れ食いというほどまではいきませんが、そこそこの感覚でアタリが続きます。
川の中を覗いてみた。
一通り十分な数が集まったので、川の中を覗いてみます。
という具合で、完全に定着済みと考えてよさそうです。
この川で他のヨシノボリは見られませんでした。
”侵略的なふるまい”をしていないと良いのですが・・・
同じ河川の別のポイント
この河川は上流に湖があるので、そちらにも行ってみました。
水中をのぞいてみると。
ここで日没、タイムアップ。
今後要調査といえるポイントです。来年夏頃、追調査してみたいですね。
締めはやっぱりラーメン
リザルト
典型的な無斑型です。
完全に定着済みと思われました。
釣行遠征3 山形県東部 トウヨシノボリ
9月の釣行遠征、第三弾は山形県。
前々から気になっていた、東北地方の内陸部のヨシノボリ。
福島県のものは過去いくらか採集しましたが、山形県で有力な情報をつかんだので行ってみました。
東北方面の遠征では、結構な頻度でここ(阿武隈PA)で記念撮影してたりします。
いざ釣行
今回のポイントはヘラブナ釣り、バス釣り双方で人気があるポイントなのだとか。
釣りのほうが有効そうなポイントらしいので、今回も釣りメインで行ってみることにしました。
現地に早速ついてみると。
期待できそうです。
早速竿を出してみましょう。
エサは活赤虫と練り餌を使用しました。
釣れるには釣れるのですが、針掛かりが悪くバレてしまうことが多い様子。
思うほど数が伸びません。
そして、ヨシノボリ以上に釣れてくるのがブルーギル。
小型個体がこれでもかと食いついてきます。釣れたものはすべて駆除。
ただかなりの確率で釣れるので、次回は食べる前提の装備も持ってきてみてもよいかなぁと思いました。
狙わなくても数が釣れるので、狙えば大漁に釣れそうです。
ナイフと氷を持って行って、現地でワタを取ってと血抜きして氷漬けで輸送すれば、後でおいしく頂けそう。
ヨシノボリはサンプルに。ブルーギルは食料に。
無駄のない遠征になりそうです。
ここの個体群は背鰭が伸びない様子。
ほとんどの個体の頭部は丸みを帯びた上顎突出型でしたが、一部、下あごが突出する個体もいました。
頬には、赤い斑点がまばらにみられます。
そしてよく見るとこの時点で白点が……。
これらの個体は持ち帰ったのですが、実はその後重度の白点病を発症してしまい、治療を試みたものの最終的に残念ながら1匹しか残りませんでした。再訪の必要性。
幸い個体数は多いので、捕獲に関してはなんとかなりそう。
次回は時期を変えて行こうと思います。
観光して宮城へ
その後、道の駅に寄ってから宮城方面に向かいました。
怒涛の9月遠征 振り返り
これほどまでに連続でヨシノボリを探した月はいままでなかったかもしれません。
しかも、新潟遠征の翌週には福江島に。
群馬遠征の翌週には、淡路島と徳島に行っています。
実質、5週連続遠征。
これらの遠征についてはややボリューミーなため、この後お送り予定です。
次回の更新をお楽しみに。
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