ケンムンヒラヨシノボリ採集記@鹿児島県 種子島

本サイト公開後初の離島遠征!

どうも、サビぬきです。

今回はサイト開設以降初の離島遠征。
鹿児島県、種子島に採集に行ってみました。

種子島とは

種子島は鹿児島県南部、大隅諸島に属する離島です。
生物好きの方にはおそらく隣の屋久島のほうが魅力的に感じる方が多いかもしれません。

しかし、今回はそこは敢えて逆に、生き物に関する情報はあまり多くない種子島を選んでみました。

ケンムンヒラヨシノボリとは

元々はヒラヨシノボリと呼ばれていた、大隅諸島、奄美諸島、沖縄本島に固有のヨシノボリです。

レッドリストによるとそこまで緊急性があるほどの評価は受けていないようですが、知る限り沖縄方面では採集成果をまったくと言ってよいほど聞きません。

屋久島、種子島、奄美大島あたりでは多いのかも?と予想したのも種子島を選んだ理由です。

では、採集成果が楽しみですね。

種子島までの道のり

関東から種子島に行く場合、直行便がありません。
鹿児島空港からの乗り継ぎが必要となります。

なので、まずは鹿児島空港を目指します。

まずは鹿児島空港でお昼

せっかく鹿児島に来たのですから、まずは鹿児島県らしいものを。

ということでこのチョイス!

笹の葉鮨&霧島茶。
鯖!
鮭!
鯛!
鰻!醤油をかけて。

いきなりお寿司で気分は最高ですね!

実は再訪、鹿児島空港

鹿児島空港では、各離島のパネルが掲示してあるのも魅力です。

実は、鹿児島空港に来るのは今回がはじめてではありません。

コロナというものが流行するよりずっと前、何年も前のことですが、沖永良部島と屋久島は訪れたことがあります。
どちらも当時は魚ではなくクワガタがメインターゲットでしたが、在りし日の思い出です。

奄美大島と徳之島にはまだ行ったことがありません。
いずれ行く時があるかもしれませんし、ないかもしれません。
(調査要望とかがあれば行くかも……?)

なお奄美、徳之島、沖永良部島には鹿児島県の条例で採集が禁止されている「キバラヨシノボリ」が分布しているので注意が必要です。

キバラヨシノボリは生息環境こそ極めて特殊ですが、外観はクロヨシノボリに酷似します。

キバラヨシノボリは屋久島と種子島には分布していません。
この点で種子島は気軽に網を振りやすい、というのも選んだ理由です。

いざ、種子島に上陸!

おじゃりもうs……外出た瞬間終わったわ
雨強すぎて川入れない

というわけで着陸直後はいきなりの土砂降りスタート。

この雨の中、川に入るのはやや無謀ではないか?と思える降りっぷりでした。

一応、ストリートビューで見つけていたポイントに行ってみると……絶賛濁流&増水中。
これは無理。

と、いうわけで、この日は島の河川をいくつか下見して終わりました。

この日の晩御飯

いろいろあった中で刺身をピックアップ!

川には入れませんでしたが、ごはんはとてもおいしかったです。(小並感)

なおこの夜、ただでさえ強い雨脚がさらに強まり、めちゃめちゃ雷も鳴っていました。
大丈夫なんでしょうか、今回の採集?

夜に見つけた生き物

カエル。
本土のものと同じトノサマガエル とのこと。

外は土砂降りでしたが、夜には自動販売機の近くでカエルを見つけました。

離島採集で重要なのは「詳しくない分類群の生物は触らない」こと。

よく分からない生き物は捕まえない!

自分で見分けられる生き物は良いです。
見分けられない生き物は毒を持っていたり、採集禁止種に指定されていたりする可能性があります。

詳しくない分類群の生物はひとまず写真を撮り、後で詳しい人に聞いたらよいと思います。

ちゅくらんぴーというらしい

豪雨と雷で特にすることが無かったので、この日の夜は調べ物をすることにしました。

どうやら種子島でヨシノボリのことは「ちゅくらんぴー」と呼ぶそうです。

悪天候で身動きが取れないときは、調べ物に時間を充てると良いと思います。

種子島2日目

昨日の夜はかなり悪天候だったのですが、嘘のように晴れました。

昨日目星を付けたポイントに行ってみることにします。

さて、いるだろうか……?

宿から微妙に遠く、到着までに時間がかかりました。
しかしそれが功を奏してか、前日の濁水はまだ多少残っているものの、撮影には問題ないレベルのクリアウォーターになっていました。

今回は採集だけでなく、自然の中で暮らす姿の動画も撮りたかったので、まずは網を持たずに川に入ってみることにしました。

ちゅくらんぴー(ヨシノボリ)を発見!

これは、クロヨシノボリ。

川に入ってみて、まず見つけたのはクロヨシノボリ。

よく見るとものすごい数がいました。
しかも、本州で見るものに比べ、あまり人を恐れていない様子。

と!
そのすぐ横にぶっとい赤いV字バンドを持つ個体が!

目の間の赤いV字バンドがぶっとい!あきらかに雰囲気が違うぞ!

これが今回の目標の、ケンムンヒラヨシノボリです!

これがケンムンヒラヨシノボリ!とりあえず目的達成!

ぱっと見よく似ている2種ですが、クロヨシノボリは目の赤いV字バンドが細く、ケンムンヒラヨシノボリは今までに見たことがないほど太いので、一目で区別は付きました。

本種はオオヨシノボリに近い特徴があり、胸鰭に黒点が入るのも特徴です。

かつては南黒色大型と呼ばれており、このことからもオオヨシノボリとの関連性がうかがえます。
名前にも変遷があり、南黒色大型→ヒラヨシノボリ→ケンムンヒラヨシノボリ と名前が変遷しています。

図鑑では見たことがありましたが、実物は初めて。
案外ぱっと見で区別できるもんなんだな、と思いました。

よく見るとクロヨシノボリに混じってケンムンヒラヨシノボリがそこそこ見られました。

割合にしてクロヨシノボリ7に対しケンムンヒラヨシノボリ3くらいでしょうか、この川では個体数が多いようで、思ったよりたくさんの個体が見られました。
慣れると一目で区別できるので、楽しいですね。

本州、特に東日本ではやや珍しい印象のあるクロヨシノボリですが、この川では完全に優占種と思われました。

クロヨシノボリは至るところで見かけます。うじゃうじゃいました。

本州でいうところのシマヨシノボリやカワヨシノボリくらい、数多くの個体がふつうに見られました。

種子島のシマヨシノボリ

しばらくケンムンヒラヨシノボリの撮影を続けていると、クロでもケンムンでもないヨシノボリが。

これは……?
と思ってズームしてみると、シマヨシノボリ。

V字バンドが二重。琉球型ですね。

シマヨシノボリは九州以北と琉球列島で外見が微妙に異なり、琉球列島のものは赤いV字バンドが2本入ります。

水中で撮影していたときはバンドが細く、九州以北のものに見えました。
しかし川から上がってよーく見てみると、バンドが2本ありました。

つまり、種子島の個体は琉球列島集団ということになるのでしょう。

琉球列島集団はこのラインが太い個体が多い印象があるのですが、この個体はなんだか細く見えますね。

クロヨシノボリとケンムンヒラヨシノボリは数多く見られましたが、シマヨシノボリは極端に個体数が少ないようで、3匹しか見つけられませんでした。

参考:沖縄県産シマヨシノボリ

うち顔の模様の観察に成功し、撮影ができたのはこのポイントではこの1匹だけでした。

ケンムンヒラヨシノボリの採集

一通り動画撮影に満足したので、次はいよいよ網を出してみることに。

箱メガネで狙いを定めて掬ってみると……
採れました!

クロヨシノボリとケンムンヒラヨシノボリが一緒に網に入ってきました。

クロヨシノボリ♂
クロヨシノボリ♀

結露で映りが悪いですね!

本州でクロヨシノボリを捕まえるのはまずまず大変な印象がありますが、ここ種子島ではそこら中に見られます。捕まえるのも容易です。

ケンムンヒラヨシノボリ

そんななか、ぽつぽつとケンムンヒラヨシノボリが混じって見られます。

基本的に渓流に生息しているイメージがありましたが、必ずしも瀬を好むとは限らないようです。
むしろ瀬には小型個体やメスが多く、淵では大型個体が多く見られた印象でした。

ケンムンヒラヨシノボリ 小型♂

ケンムンヒラヨシノボリの小型個体はあんまり画像がないかもしれません。
ご覧の通り、太い目の間のバンドが小さいうちから太いので、案外見分けやすいと思いました。

ぶっといV字バンド、胸鰭の黒点は小型個体でも目立ちますね。
尾鰭の中央に筋が入るのは、クロヨシノボリに似ています。

ひとまずオスは採れたのでメスを狙おうとすると……
これは難易度が高い!

激流の中で、個体を目視しながら網に追い込もうとしますが上手く行きません。
こちらの動きを読んでいるようにさえ思え、思うようには動いてくれませんでした。

しばらく粘っていると、なんとか入ってくれました。
個体数は多く、見えているのになかなか採れないというのは歯痒いものです。

淵にはケンムンヒラヨシノボリやクロヨシノボリの大型のオスが多く、それらに力負けしてしまうのかあまりたくさん居ませんでした。

というわけで今回の採集は成功!
時間が余ったのでシマヨシノボリをもう数個体見てみたいかなと思い、別ポイントで調べてみようと思います。


その他の生き物

この川で見ることができた他の生物は次の通りでした。
他にも色々いたかもしれません。

ボウズハゼ
コンジンテナガエビ
ヤマトヌマエビ
ヒメヌマエビ
島の文化「ダクマ獲り」
「ダクマ」ことテナガエビ
(コンジンテナガエビ)

種子島独自の遊びに、”ダクマ獲り”というものがあるようです。
これは川の中に味噌を入れ、寄ってきたテナガエビを捕まえる……というものらしいです。網も、専用品があるのだとか。

川の近くに味噌の袋が捨ててあったので、なぜ味噌?と思いましたが、たぶんこれと関連しているのかもしれません。
ちょうど大きな……いや、巨大なテナガエビも居たので、もしかすると島の誰かのポイントかも?

寄せ餌に味噌を使うとは、島独自で面白いですね。


島のラーメン

狙いの魚が採れたあとのラーメンは美味しいですね。
あっさり系でとても食べやすい豚骨ラーメンです。

次のポイントに向かいます。


別のポイント

こちらはかなり下流域のポイントです。
目前は海、広がる砂浜に流れる河川。

ぱっと見でも、まずはゴクラクハゼが確認できました。

本州なら、シマヨシノボリが期待できそうなポイントです。

しかし……
そこで見つけたヨシノボリは、またしてもクロヨシノボリ。
種子島はクロヨシノボリの島と言って良いぐらい、多くの個体が生息しているのでしょう。

下流域にクロヨシノボリが多い
ゴクラクハゼといっしょに見られます
途中で見つけたカニ。
あとで教えてもらいましたがクロベンケイガニ とのこと。

類似した条件の他の川も見てみましたが、結局、他の川でシマヨシノボリは見つかりませんでした。

さらに別の川ではボウズハゼが大量に見られました。
これはサイズの割に背ビレの赤みが残る個体。
流れに張り付くボウズハゼの奥に、コンジンテナガエビが見られます。
謎のハゼも。
ボウズハゼ系のなにかに見えますが・・・君の名は?

メインターゲットは既に達成しているので、深追いする必要は無いと判断。

これ以上の探索は切り上げることにしました。


この日の晩飯

いろいろありましたが、九州限定、鶏刺しと刺身をピックアップ!
最高においしかったですね。

九州限定・鶏刺し 独特の触感が美味!
刺身は大トロも!

家に帰るまでが採集だぞ!

最終日は快晴! 種子島と言えばロケット。

既に目的は達成しているので、あとは無事に持ち帰るだけ。

しっかりと荷物を梱包して、最終日は種子島らしい写真を撮って終えることにしました。
欲張らない姿勢が大事だと思います。

雄龍雌龍の岩
・・・のゆるキャラ。
顔を出すところ、そこなんですね。
到着時の天気がウソのよう。
また来るかも?種子島!
出発前にもまたラーメン。

空港でもラーメン。

安納芋肉みそラーメン とのことでしたが、肉/みそラーメンではなく 肉みそ/ラーメン。

スープは味噌ではなく塩ベースみたいです。
ベースはあっさりですが肉みそでコクが増していて、非常に美味でした!

というわけで今回の遠征は終了!
離島への遠征は、本土とは異なる独特の時間が楽しめて、非常に楽しいですね。
(費用さえあれば)何回でも行きたいですね!

夏の種子島の一コマ

ウグイスの鳴き声が入っています。

旅の最後は空港でハンバーグ!

それでは今回はこの辺で!

次回の更新をお楽しみに。


離島に行くなら知っておきたい

離島での採集は本土とは異なる生き物に出会えて非常に楽しいものですが、いくつか守らなければならないルールやマナーがあります。

そのあたりの細かいとこ、こちらの記事にまとめました。
ぜひ、合わせて読んでみてくださいね。

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