カワヨシノボリ壱岐佐賀型

カワヨシノボリ壱岐佐賀型 佐賀県産

カワヨシノボリ壱岐佐賀型の特徴

カワヨシノボリ壱岐佐賀型は、九州地方北西部に分布するカワヨシノボリの一型です。
基本的な事項はカワヨシノボリに準じますが、♂の背鰭が伸長せず、全体的に丸みを帯びた体つきとなる点が異なります。

また尾鰭の付け根の橙色斑が、♂であればほぼすべての個体に見られるようです。

見分け方のコツ!
  • 九州北西部(佐賀県、長崎県)のみ分布する、カワヨシノボリの地域変異個体群です。
  • 胸鰭の条数はカワヨシノボリ同様17本以下です。
  • ♂の背鰭は丸く伸長しません。
  • 全体的に丸みを帯びた体つきをしています。

基本情報

学名Rhinogobius flumineus
サイズふつう全長3~5cm程度。
他のカワヨシノボリ各型に比べると、一回り小型です。
食性雑食性。やや肉食傾向で、水生昆虫が主食と思われます。
生息環境広域分布する無斑型同様です。
河川中~上流部に主に生息します。
やや流速のある環境を好み、止水にはあまり生息しません。
生活史陸封型
卵形大卵型
カワヨシノボリ壱岐佐賀型 評価
項目評価備考
見つけやすさ1分布域がやや限られています。
見つけにくいかもしれません。
捕まえやすさ5簡単に捕まえられます。
飼育しやすさ5標準的な設備で簡単に飼育でき、丈夫です。
餌付きやすさ5人工餌にも容易に餌付きます。
気性の荒さ2ヨシノボリにしては比較的おとなしめです。

分布域がやや限られているので、見つけにくい型と言えます。
そのほかの捕まえやすさや飼育しやすさなどの基本的な性質は、一般的なカワヨシノボリである無斑型と特に何も変わらないようです。


カワヨシノボリ壱岐佐賀型の見分け方

基本的な判断はカワヨシノボリに準じます。
斑紋型特有の特徴は、♂の背鰭が丸いことです。
また、斑紋型では個体によりまちまちな尾柄部の橙色斑が、壱岐佐賀型ではほぼすべての個体に見られます。

♀は体型こそやや丸い形をしているものの、決定的な特徴とまでは至りません。
他の型と外見で識別することは困難と思われます。

カワヨシノボリ以外の他種との識別に関しては、胸鰭の分枝軟条を数えればOKです。
尾柄部の斑紋の特徴からトウヨシノボリに酷似しますが、胸鰭の分枝軟条数でほぼ確実に識別できます。

17本以下であれば、少なくともカワヨシノボリであることは判別可能です。

背鰭と前方鱗
♂の第1背鰭
背鰭前方鱗

壱岐佐賀型の♂の第1背鰭はほとんど伸長しません。

背鰭前方鱗は9~19枚と多く、エラブタの左右を結んだ線上に達することがあるようです。

報文

吉郷英範,分布域東限に生息するカワヨシノボリ(硬骨魚類綱:スズキ目ハゼ科)の形態,比和科学博物館研究報告 第52号 別冊,2011

※より詳しい特徴は上記報文の「記載」を参照すると良いでしょう。


カワヨシノボリ斑紋型のオスとメス

♂個体

佐賀県産♂

♂は背鰭が丸く、その他のカワヨシノボリに比べると体形がやや丸っこい傾向があります。

♀個体

佐賀県産♀

♀は体型がやや丸いものの、一般的な無斑型と外見で識別することは困難と思われます。


カワヨシノボリ壱岐佐賀型の分布

分布域

佐賀県、長崎県

※壱岐島にも分布しています。

ギャラリー

すべて佐賀県で採集した個体です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました