どうも、サビぬきです。
今回はなんと、当ブログ初の沖縄遠征第一弾。
……とはいえ、実は私は過去に何度も沖縄には行った経験があります。
この遠征の前、最後に沖縄に行ったのは2019年。
実に5年も前のことになります。
沖縄での生物採集は、あれから色々変化がありました。
当時はアオバラヨシノボリをターゲットに遠征していましたが、2020年にキバラヨシノボリが、2021年にアオバラヨシノボリが沖縄県希少野生動植物種に指定され、採集ができなくなりました。
以前は沖縄県北部を主な探索エリアとしていましたが、今回はそのようなエリアは外す方針でプランを組み立ててみました。
そんなわけで、今回の遠征のターゲットはシマヨシノボリ。
しかし、沖縄のシマヨシノボリは一味違います。
前回、和歌山で採集した個体群とは異なる、琉球列島集団と呼ばれる個体群がターゲットです。
実はこちらも以前採集した経験があるのですが、当時はアオバラヨシノボリをメインに考えていたため、あまり注目していませんでした。
そこで今回改めて、着目してみた運びとなります。
なお、今回は同行者の希望で、汽水での採集も多くなります。
ちなみに私の希望はシマヨシノボリ1種なのに対し、同行者の希望はミナミアシシロハゼやイズミハゼなどなど、ざっと10種類以上とのこと。
いやちょいと、欲張りすぎではなくて???www
1日目 汽水メインのガサガサ
初日は同行者の希望で、汽水域での採集。
干潮時が希望とのことで、夜間の採集になりました。
また城(グスク)を見たいとのことで、夜になるまでは中城を観光していました。
まずは中城観光
初手、夜ガサ
同行者の希望により、今日は汽水域での採集。
夜になり、潮が引いたので採集を開始します。
最初のポイントではこんな生き物が採れました。
その後、少し遡って河川側のポイントで採集することに。
汽水域2番目のポイント
すると、ヨシノボリ以外で私の特に好きなハゼ類の一つ、ミナミトビハゼが居ました。
ミナミトビハゼは普段はすばしっこく、ぴょんぴょんと跳ね回って逃げてしまいます。
しかし、どうも夜は大人しい様子。
試しに手を伸ばしたら……なんと手掴みで捕獲できてしまいました!
他にも、ミナミアシシロハゼやチワラスボ類など、色々な汽水魚がこのポイントでは見られました。
ミナミトビハゼもじっくり観察してみます。
干潟の他にも、壁にもぺたりと張り付いています。
捕獲はなかなかむずかしいイメージがあったのですが、夜は寝ているためか、簡単に捕獲できるようなので面白いですね。
ヨダレカケを探したい
その後、ヨダレカケを見たいとのことで、過去に訪れたことのある既知ポイントを案内しました。
ヨダレカケとはギンポの仲間ですが、トビハゼ同様水中を嫌い、陸地に上がりたがる性質を持つ不思議な魚です。
なんだかんだで時間は23時を過ぎ……
ここ数年では珍しい、ハードな行程になりました。
A&Wは24時間営業なので、こんなときでも頼りになります。
素晴らしいぞ。
24時間営業なので、徹夜採集勢にも強い味方かもしれません。
私は良い子なので、できれば夜はふつうに寝たいですね。
2日目 シマヨシノボリを求めて
さて、今日こそが本命。
本日は私の希望で、淡水域をメインに巡り、シマヨシノボリを探しに行きます。
最初の川
実は過去に北部の河川でシマヨシノボリを見つけたことは何度もあるのですが、今回は新規開拓をしたいのが私の希望。
なので以前よりもだいぶ南部の、初見の河川で探すことにしました。
事前にGooglemapで下見していましたが、良さげな河川です。
早速、網を出してみましょう。
採れました、シマヨシノボリです。
読み通り。
前回和歌山で採集した個体と比較してみましょう。
頭部の目にかかる赤線の本数が、よく見ると異なりますね。
他に、ひさびさに悩ませてくれるヨシノボリも。
このポイントは下流域なのでシマ、クロ、アヤからの3択。
目のラインが二重でないのでシマではない。
クロかアヤで悩みますが、拡大すると青く輝く斑点が微妙に見られるので、アヤヨシノボリだと思います。
シマヨシノボリの他にはアヤヨシノボリをはじめ、カワアナゴ、オウギハゼ、タネカワハゼ、イッセンヨウジウオなどいろいろな魚が採れました。
割と汽水寄りの魚種も採れたので、同行者も満足したっぽいようです。
今回あまり北進せずとも採集できるポイントを見つけたのは、一つの収穫と言えるでしょう。
今帰仁城観光
昼には同行者がまた城を見たいとのこと。
そんなわけで、今帰仁城跡を観光しました。
かつて沖縄に訪れた際は採集に夢中で、観光らしい観光はあんまりしていませんでした。
しかし沖縄の色々な一面を知るべく、敢えて観光地を散策するのも、たまには良いものですね。
個人的には中城の石垣と比較して、中城はほとんどが琉球石灰岩で作られているのに対し、今帰仁はそうではないのがちょっと気になりました。
同じ沖縄本島内でもところ変われば、素材も変わるのでしょう。
2番目の川
既にターゲットを採集済みであるため、以降のプランは気楽に行けます。
なおこの時点で気温、25℃。
例年に比べてかなり高めです。1月なのに、もはや初夏のそれ。
事前にGooglemapで下見した感じでは良さげな川だったのですが……
何故か干上がっている様子。
その後、より下流を見てみましたが、水はあるものの降りれる場所がなさそう。
既にターゲットを確保済みなので、無理をする必要はまったくありません。
以降はヨシノボリの水中映像撮影をメインにしつつ、その傍らで同行者の採集を適当に手伝うことにしました。
計画段階ではあまり北進する予定ではなかったのですが、過去のポイント情報から有力な手がかりが得られないか?とのことで急遽北進することに。
北部の川
2河川ほど立ち寄り、シマヨシノボリ、アヤヨシノボリの撮影を行いました。
青い斑点の目立つ個体。
青い斑点が目立たない個体。
同行者のターゲットはクロミナミハゼとのこと。
とりあえず採れて良かったみたいです。
道の駅巡り
北部の川で採集・撮影を一区切りしたら、道の駅をいくつか巡りました。
ある道の駅で、同行者がターゲットに入れていたフナが展示されていました。
隣にいる熱帯魚はソードテール。沖縄県では指定外来種となっており、飼育には許可が必要です。
最後は汽水域で
同行者が、最後に汽水域で採集をしたいとのこと。
明日は採集はしない予定なので、今回の遠征ではこれが最後の最終となります。
このポイントは秋に訪れているらしく、冬はどのような魚が見られるのか知りたいのだとか。
結果はヒメハゼ系のよくわからないハゼと、クサフグのみ。
クサフグは本州でふつうに見られる魚ですが、沖縄ではかなり珍しいとのこと。
確かに沖縄の汽水域は、多くがオキナワフグのイメージがあります。
しかしこのポイント……渋い!
秋に訪れたときはもう少しいろいろな魚が採れたのだそうですが、今回はこの2匹だけでした。
3日目 美ら海水族館
朝は沖縄ならではのお寿司で。
再訪!美ら海水族館
ヨシノボリ類はアオバラヨシノボリのみ、生体展示されていました。
標本ではキバラヨシノボリ、アオバラヨシノボリの展示がありました。
どちらも完全に陸封された生活史を持つ、沖縄の貴重なヨシノボリです。
他にも琉球列島ならではのボウズハゼ類などがいろいろと。
私も同行者も興味があるのは淡水エリアだったのですが、ほぼ出口付近にあったということもあり、なかなか見つけるのに苦労しました()
帰路へ
美ら海水族館を出たら、後は帰るだけ。
(同行者の)フライト時間がややギリギリでしたが、なんだかんだで間に合いました。
ちなみに同行者が、今回の遠征では最後までイズミハゼが見つからなかったのが心残りとのことで、また来るかも。
個人的には今回よりもさらに南部の河川に興味があるので、たぶん第2回があると思います。
最後にアイスとゴーヤーまんを食べて、沖縄を発ちます。
フライトを終えたら、ラーメン。
沖縄の遠征記録でありながら、北海道のラーメンで〆。
実は今年、北海道への遠征も計画していたりします。
今回の遠征はこれで終了です。
次回の更新をお楽しみに!
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