トウヨシノボリ採集記@福島県 南部

どうも、サビぬきです。

前回更新より少し間が空いてしまいました。

採集に行ってなかったワケではないですが・・・
行ったのにも関わらず書かない理由は、お察しください。
(行くには行ったものの、採れたとは言っていない)

かねてから福島県のトウヨシノボリ類に興味があり、実は福島県内の各地でトウヨシノボリを採集し、一同に会して比較してみよう という計画を密かに立てていたりします。

前回、福島県中部で採集をした後北部に行きましたが、季節柄まだ早かったので断念しました。
今回はその同ポイントに向かいます。

いきなりアクシデント

が、しかし!

現地についてみると超土砂降り。
当初は曇り予報だったのにな~。

近年まれにみる土砂降りでした。

https://tenki.jp/radar/ 雨雲レーダーより
赤~黄色いとこらへんにいてました。どの辺かは秘密。

挙句の果てに警報まで鳴る始末。こりゃもうお手上げです。

とてもとても採集や撮影ができるコンディションではなかったので、やむなくして撤退を決断!
仕方ないので急遽、雨雲のかかっていなさそうな南部のエリアを新規探索することにしました。


リカバリー

当然ですが急遽のリカバリーであったため、事前情報がほぼありません。
時間は昼を過ぎていたので、とりあえずラーメンを食べながらどこに行くか考えることにしました。

さっぱりとした塩ラーメン

とりあえず南部ならたぶん雨雲は大丈夫そう、栃木県との県境らへんの個体って気になるよね

・・・という理由で、googlemapを眺めて、多分このへんかな~

とざっくりアタリを付け、行ってみることにしました。


目的地に向かっています

元々の目的から、新たに設定した目的地まで車を走らせます。
雨雲の範囲を過ぎると、さっきまでの豪雨がウソのように晴れ渡ってきました。

当初目的としていたエリアだけ、とてつもないどしゃぶりだったみたいです。
なんじゃそりゃ。

雨が過ぎたら過ぎたで、今度は日差しが強くなってきました。
なんかもう忙しい天気ですね。

途中、公園で休憩。
ここの名産のアイスだそうです。

アイスを食べて、一服完了。
その後、目的地に到着しました。


採集開始

やっと、本題の採集を開始します。

さっそくガサガサしてみると・・・

ドジョ・・・ウ?

なんかヘンなドジョウが網に入りました。
見かけない顔ですねー。

一瞬悩みましたが・・・これ、「フクドジョウ」じゃん。

フクドジョウは本来北海道に生息する淡水魚ですが、福島県の一部地域に移入例が報告されています。
いわゆる、国内外来種 ですね。

まさかラーメン屋で、「たぶん、ここ!」で選んだ川で引き当ててしまうとは、なんという・・・なんでしょうね。
珍しい成果かもしれませんが、今回のターゲットは例によってあくまでもヨシノボリです。

この川ではフクドジョウがかなり優占しているらしく、結構な数が網に入りました。

続いて網に入ったのは・・・

ぶっといどぜう

極太サイズのマドジョウが採れました。

マド:フクが4:6くらいで若干フクが多いかな?という印象でした。

フクドジョウ
本来は北海道原産ですが、福島県に外来種として定着しています。
できれば本来の生息地で見たいものですね。
ドジョウ
ヒゲが短く尾柄部の斑が目立つため、カラドジョウではなさそう?
もしかすると、キタドジョウかもしれません。

しばらくガサガサしてみましたが、どぜう系は相当数網に入るものの、ヨシノボリは網に入りませんでした。
なので、同水系でポイントを少し変えてみることにしました。


次なるポイントにて

よさげな水辺を見つけたので、カメラを突っ込んでみることにしました。

第一ヨッシー発見。

むむ。居てますね。
トウヨシノボリ のようです。

東北南部はこんな感じのタイプらしいですね。

たぶんメス

確認が出来たので、早速網を入れてみましょう!

まずは1匹!

サクッと採れました。
トウヨシノボリ です。

比較的大柄の♂

これはなかなか大きめ。

たぶんどちらも♀

ダブルゲット。

こんな具合でなかなか好調でした。

他にも、

本来の目的地からやむなくして撤退を強いられましたが、急遽探した割には良い成果を得ることができました。

やはり頼れるものは己の”勘”ですね。

採れた個体はこんな感じ。

頭を拡大させてみると・・・

頬は無地、下顎突出 といった形質のようですね。
どの個体もこんな感じでした。

♀個体

以前、中通りで見たものと同じ感じです。

よく見るとここの個体、尾の付け根の黒斑がみんな「I」字状ですね。

この個体は胸鰭の付け根にも黒斑がありました。
斑紋のパターンだけ見れば、まるでオオヨシノボリのようです。

生息環境が水路であったこと、オオヨシノボリのヒレにはふつう縞模様は入らないこと、海とつながるエリアではないこと の3点から、トウヨシノボリと判定しました。

このように、トウヨシノボリにはまれにオオヨシノボリの特徴と一致する斑紋を持つ個体がいます。
判断の際は多角的な視点からの検討が必要なので、留意しておきましょう。

今回は分布域的にオオヨシノボリの可能性はかなり薄いポイントであったため比較的すぐに判断を下せましたが、ポイントによっては混棲する場所もあります。

同所的に生息するポイントでは、なかなかに判断が困難です。

観察に十分な数が集まり、時間もいい時間になったためこのあたりで採集を切り上げます。


晩飯

夕飯はカツカレー

夕飯にカツカレーを食べて、帰路に着きました。


リザルト

今回採れた福島県南部のヨシノボリを、じっくりと見てみましょう。
比較的、栃木県と隣接した地域の個体になります。

一番大型の♂

撮影時はなかなか背鰭を開いてくれませんでした。

なので後日水槽に入れた写真。

背鰭はあまり尖らず、全体的に丸みを帯び、そして重厚な感じです。

♀個体。

丸みを帯びています。
なんとなく、ながーい印象を受けますね。

ここの集団は全体的に、斑紋がオオヨシノボリ似の個体が多いかな と感じました。

そんなわけで、今回もまた福島県のトウヨシノボリをお送りしました。
たぶん引き続き、何回かやると思います。

次回の更新を、お楽しみに!

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